スタッフBlog
閑さや
- 2023-05-28 (日) 15:29
人はそれぞれ日常にささやかな楽しみを持つものである。
私の場合サウナがそのひとつだ。
夜のサウナは仕事柄週末のみ。かわりに、朝サウナをちょくちょく楽しむ。
朝といっても昼に近い。サウナ飯が仕事前の昼食だ。
先日、我がホームグラウンド「やよいの湯」で「フィンランド式サウナ」が新設された。
流行を追わない(というよりきわめて疎い)私は新商品や新店といったものに縁が薄い。
しかしこれはオープン初日の開店時に訪れた。新装開店を狙うのは、学生時代のパチンコ屋以来である。
もともとあった「よもぎ蒸」とよばれるスチーム系低温サウナ施設を「フィンランド式」に改装したのだが、「テレビがないのが残念」というのが最初の感想だ。
「よもぎ蒸」がそうであったように、かぎ型に細長く全体に光が抑えられた空間。そのコーナーにあたる部分でサウナストーンが円柱形の容器内で赤く熱せられ、上部の逆円錐形のタンク様の装置から水が滴り、一定間隔で放水がおこる。
細長いかぎ型の奥には、座段が中段、上段と続き、さらに薄暗くなる。
まず下段にあぐらをかく。室内を改めて見回すと砂時計がひとつあるだけで温度計も12分計もない。
程よい暑さだが少し物足りなさを感じ上段へ移った。
すると放水。数秒後に強烈な熱波が頭上から全身を包む。心地よい。
光が抑えられた静寂な空間。時々おこる「焼け石に水」の激しい蒸発音が、静けさを一層演出する。
芭蕉の名句が頭をよぎる。テレビを設置しないのは正解だった。
冷水と外気で体を整え、高温サウナと静寂サウナ(勝手に命名)を交互に楽しみ英気を蓄えた。